北海道・羊蹄山の幽霊:死の危険と息をのむ絶景
『蝦夷の亡霊』の舞台が北海道に設定された理由
サッカーパンチチームが『蝦夷の亡霊』の主要舞台として北海道を選んだ背景を明かす。北海道の景観再現方法や日本各地を旅した制作陣の実体験に迫る。
歴史的舞台における真実性の追求
『蝦夷の亡霊』では実在する日本の風景が忠実に再現され、蝦夷(現在の北海道)が物語の中心舞台となる。PlayStationブログの最新記事で、サッカーパンチのネイト・フォックスゲームディレクターは、主人公アツの旅路の背景として北海道を選定した経緯を詳述した。
この手法はサッカーパンチの確立した方法論を反映している——初代『Ghost』作品では対馬島を見事に甦らせ、日本国内の批評家から高い評価を得た。特にフォックスとジェイソン・コネルクリエイティブディレクターは、初代作品における文化的表現が評価され、対馬市の観光大使に任命されている。
2021年、対馬市長・比田勝尚樹氏は「多くの日本人すら元寇の歴史を知らない。世界的に対馬はほとんど無名の存在でした。圧倒的なビジュアルと深い叙述で我々の物語を描いてくれたことに深く感謝しています」とコメントした。
スタジオは『蝦夷の亡霊』においても同様の敬意を払ったアプローチを採用し、フォックスが「虚構の物語における真実性と信憑性」と表現する境地を目指している。北海道が選ばれた理由は「1603年当時の日本辺境を体現する息を呑むような景観」にあり——アツの復讐劇が展開するのに最適な舞台だという。
自然の二面性:美しい景観と潜む危険
フォックスはチームが2度の日本調査旅行を実施し、特に知床国立公園がビジョン形成に大きな影響を与えたと説明する。この地域の圧倒的な風景と野生生物の危険性が生む「平穏と危機の緊張感」が制作陣の求める要素に合致した。
羊蹄山(アイヌ語でマチネシリ)は特別な意味を持った。自然と深い精神的繋がりを持つ先住民族アイヌにとって神聖なこの山は、開発者にとっては北海道の本質と、アツが失った家族の象徴となっている。
フォックスは地元コミュニティとの交流を含む日本訪問が「架空の世界観に北海道の精神を取り込む」のに役立ったと語る。非ネイティブの制作者として文化的理解のギャップを認めており、慎重に対処する方針を示した。
『蝦夷の亡霊』はサッカーパンチ史上最大規模のプロジェクトとなり、2025年10月2日にPlayStation 5独占で発売予定。最新情報は今後の続報をご覧いただきたい。